フィラリアは、蚊が媒介する犬と猫の寄生虫です。
犬猫の体内に入り込んだフィラリアが、最終寄生場所である心臓や肺動脈に寄生し、様々な重篤な症状を引き起こします。
フィラリア症は発症したら治すことが難しい病気ですが、動物病院で処方された薬を必要な期間に投薬するか、または年1回のフィラリア予防注射を行うことで確実に防げる寄生虫感染症です。
フィラリアの検査について
フィラリア予防薬は要指示薬であり、動物病院での検査が必要とされる処方薬です。フィラリア予防薬を使用する前に、現時点でフィラリアに感染してないかどうかを確認する必要があります。
検査では少量の血液(0.5ml程度)を採血し、直接鏡検および検査キットを用いた抗原検査によってミクロフィラリア(mf)やフィラリア成虫の確認を行います。検査時間は10分程度です。必要に応じてエコー検査を行う場合があります。
なぜフィラリア検査が必要ですか?
感染している動物にフィラリア予防薬を投与すると、血中にいるミクロフィラリア(フィラリアの幼虫)の一斉死亡に起因する様々な重篤な病態を引き起こす恐れがあります。これらの重篤な病態のには肺動脈梗塞、急性肺炎、腎炎、ショック症状などがあり、これらの症状を起こすと動物が死亡してしまう可能性が高まります。このため、フィラリア検査は絶対に欠かすことはできません。
ただし、当院で1年以内にフィラリア予防注射を接種している記録がある場合にはフィラリア検査が不要となります。当院または他院で錠剤のお薬やチュアブルタイプのお薬でフィラリア予防をされていた場合には、検査が必須となります。
フィラリア予防の期間
フィラリアの予防期間は、蚊が媒介するmf(ミクロフィラリア)の感染時期および成長サイクルを考慮し、予防薬の飲み始めと飲み終わりが決まっています(蚊が飛んでいる時期と1ヵ月ずれますのでご注意ください。)
広島県のフィラリア予防期間は5月の終わりから11月末までが予防期間となります。
※ その年の気温(暖冬)や周りの環境(蚊が多い)などの条件によって予防期間は変わりますので気になる方は獣医師に相談してください。
当院では1年に1回だけのフィラリア予防注射も対応できますので、蚊が飛ぶ季節を気にせず予防していただくことも可能です。
よくあるご質問
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室内犬は予防しなくても良いですか?
室内でも蚊に刺される可能性がありますので、確率が低くても予防が必要です。
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フィラリアのお薬だけ買うことはできますか?
フィラリア予防薬は要指示薬なので動物病院での検査が必要です。フィラリア症に罹患している動物に薬を投与すると、重篤な副作用が発生する可能性があり、死亡するケースもあります。処方前には診察とフィラリア検査が必要になります。
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去年1回飲み忘れてしまいました。どうしたらいいですか?
まずは血液検査でフィラリアが感染していないか調べましょう。飲み忘れ防止と飼い主様の負担軽減のために、当院では年に1回で済むフィラリア予防注射の接種を推奨しています。
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注射と薬ではどちらを使うのがいいのですか?どのような差がありますか?
予防効果に差はありません。
チュアブルタイプをあげる場合には、毎月決まった日(例えば毎月1日)に投薬する必要があります。毎月決まった日に薬をあげられないような場合(うっかり忘れ、仕事など)、年1回のフィラリア予防注射をお勧めしています。チュアブルタイプをおやつ代わりに月一回楽しみにしているという子にはチュアブルタイプが適しています。
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注射と薬では値段がどのくらい変わるんですか?
料金表がありますので体重に合わせてご確認ください。

初めての方! ご存知でしたか?
獣医師との初回相談(20分)が無料。
初回来院時にカルテ作成は必要ですが、お支払いなくお帰りいただけます。